簡易版でも、変更してはいけない条件は省かない
簡単な指示書にする場合、装飾的な説明や重複した情報は減らせますが、寸法の基準、材料、開き、向き、重要な仕上げは残す必要があります。省くかどうかは文字数より、制作側が迷う可能性で選びます。
前後で丈が違う服なら、前後図と二つの測定線は省けません。既製の見本と同じ仕様なら、変更点だけを明確にした資料でも役立ちます。ただし見本のどの部分をそのまま使うかも一緒に示します。
誰が読んでも同じ場所を測れる指定にする
仕様書は項目を増やすだけでは読みやすくなりません。寸法の始点と終点、表から見た位置、使う材料、縫う順序を混同しない構成が必要です。特に寸法表では、平置きか周囲か、留め具を閉じるか、ゴムを伸ばすかで数値が変わります。
| 項目 | あいまいな例 | 具体化する方向 |
|---|---|---|
| 丈 | 着丈100cm | どの点から裾までかを図示 |
| 幅 | 幅50cm | 平置きか周囲かを明記 |
| 検品 | 誤差は少なく | 部位別の許容範囲と測定方法 |
シャツの身幅を測るとき、脇下直下と裾では違う値になる形があります。測定図に一本の線を描き、その線と寸法表の項目名を対応させれば、別の人へ渡しても比較しやすくなります。許容差も、全箇所へ一律の値を当てはめず用途に合わせて決めます。
品質表示の要否や内容は、商品と販売形態に応じて確認します。寸法表がそろったことと、販売に必要な表示が整ったことは別です。
仕様書が解決するのは、同じ言葉の解釈違い
「丈を短く」「ポケットを深く」だけでは、何を基準にどれだけ変えるかが決まりません。仕様書では、測る位置、単位、完成時の寸法、使う材料、縫い方を対応させます。ページ数の多さより、別の人が同じ作業を再現できることが重要です。
| 曖昧な指定 | 具体的にする内容 | 食い違いを防ぐ理由 |
|---|---|---|
| 袖を3cm短く | どの版から、カフス込みか別か | 測る区間の違いをなくす |
| 丈夫に付ける | 負荷がかかる位置、補強方法の案 | 見えるステッチと強度を両立する |
| 同じ生地 | 品番・色番・素材・代替の可否 | 色名や素材名だけでは同一にならない |
| サイズは前回どおり | 基準サンプルと寸法表の版 | 過去の修正漏れを持ち越さない |
複雑な図を増やさず、前後の絵と番号付きの注意点にまとめます。作業者と共通理解がある項目は簡略化し、新しい担当へ渡す場合は不足を補います。
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