裏地の範囲と、表地へ留める場所を分ける
裏地を付けると書くだけでは、袖まで付けるか、裾を固定するか、スリットをどう処理するかが決まりません。表地との動きの差を逃がす場所も必要になる場合があります。
身頃だけの裏地なら、袖ぐりと裾の仕上げを図で示します。ストレッチの表地へ伸びない裏地を付けると、裏地が先に動きを止める場合があるため、素材の組合せとゆとりを一緒に指定します。
裏地は「付ける・付けない」だけでなく範囲で選ぶ
裏地には肌当たり、滑り、透けの軽減などの役割がありますが、付ければすべての問題が解決するわけではありません。表地との伸びや重さの差で引きつれたり、想定より暑く感じたりする場合もあります。
身頃だけ、スカートだけ、袖までなど、必要な部分に分けます。
| 案 | 向く目的 | 残る注意点 |
|---|---|---|
| 全面に裏地 | 内側を一体で整える | 伸びとゆとりの調整 |
| 部分裏地 | 必要な範囲だけ透け・摩擦を減らす | 境目が表へ響く場合 |
| 別のインナー | 着回しや洗い分け | ずれや着脱時の重なり |
薄いワンピースで脚の透けだけが気になるなら、まずスカート部分の裏地と別ペチコートを比較できます。上半身まで裏地を付けると縫製と重なりが増えます。一方、身頃にも透けがあるなら、下半身だけの対策では足りません。
裏地だけを表地と全く同じ形・長さに切ればよいとは限りません。可動部分のゆとり、裾の逃げ、取り付け方まで含めて設計します。
誰が読んでも同じ場所を測れる指定にする
仕様書は項目を増やすだけでは読みやすくなりません。寸法の始点と終点、表から見た位置、使う材料、縫う順序を混同しない構成が必要です。特に寸法表では、平置きか周囲か、留め具を閉じるか、ゴムを伸ばすかで数値が変わります。
| 項目 | あいまいな例 | 具体化する方向 |
|---|---|---|
| 丈 | 着丈100cm | どの点から裾までかを図示 |
| 幅 | 幅50cm | 平置きか周囲かを明記 |
| 検品 | 誤差は少なく | 部位別の許容範囲と測定方法 |
シャツの身幅を測るとき、脇下直下と裾では違う値になる形があります。測定図に一本の線を描き、その線と寸法表の項目名を対応させれば、別の人へ渡しても比較しやすくなります。許容差も、全箇所へ一律の値を当てはめず用途に合わせて決めます。
品質表示の要否や内容は、商品と販売形態に応じて確認します。寸法表がそろったことと、販売に必要な表示が整ったことは別です。
仕様書が解決するのは、同じ言葉の解釈違い
「丈を短く」「ポケットを深く」だけでは、何を基準にどれだけ変えるかが決まりません。仕様書では、測る位置、単位、完成時の寸法、使う材料、縫い方を対応させます。ページ数の多さより、別の人が同じ作業を再現できることが重要です。
| 曖昧な指定 | 具体的にする内容 | 食い違いを防ぐ理由 |
|---|---|---|
| 袖を3cm短く | どの版から、カフス込みか別か | 測る区間の違いをなくす |
| 丈夫に付ける | 負荷がかかる位置、補強方法の案 | 見えるステッチと強度を両立する |
| 同じ生地 | 品番・色番・素材・代替の可否 | 色名や素材名だけでは同一にならない |
| サイズは前回どおり | 基準サンプルと寸法表の版 | 過去の修正漏れを持ち越さない |
裏地の品番、色、必要量、動作の余裕、留める位置を共有します。ファスナーやスリット回りで見えたり引かれたりしないか、試作時に確認します。
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