腕の動きは、袖ぐりを広げれば解決するとは限らない

袖が身頃を引き上げる構造では、脇を下げると動きが別の場所へ伝わる場合があります。背中の幅や袖の向きも、前へ手を出す動作へ関わります。

運転や机仕事など必要な姿勢で張る場所を見ます。背中へ量を足す案、袖の形を調整する案を分け、静止時の余りをすべて削らないようにします。

ジャケットをオーダーするときは、腕を上げる、前へ伸ばす、ハンドルを握る、棚の物を取るなど、普段の動作を伝えます。立った姿だけで肩幅を確認すると、腕を動かしたときの背中や袖のつっぱりを見落としやすくなります。

今のジャケットで困る場合は、正面・横・後ろの写真に加え、どの動作でどこが引かれるかを書きましょう。無理に動かす必要はなく、苦しくない範囲の状態を資料にします。

中に着るものを決めて試着する

着用条件伝えておきたいこと
シャツの上袖や肩の重なり
薄いニットの上腕と身頃の余裕
厚手の服の上冬の着用を前提にするか
座って着続ける前ボタンを閉めるか、開けるか

「一年中着たい」場合も、厚い服の上まで想定するかを決めます。試着のたびにインナーが変わると、同じ条件で比較しにくくなります。

肩・袖ぐり・背中をまとめて相談する

袖を太くするだけで希望の動作ができるとは限らないので、腕の付け根、背中、肩の形を一緒に見てもらいます。見た目は細身を保ちたいのか、多少ゆったりしても動作を優先したいのかを伝えてください。

着やすさに合わせたお直しでは、服の開き方や座った姿勢を考慮する例もあります。ただし、どのジャケットにも同じ加工ができるという意味ではありません。新規制作か、既製服の修正かを分けて相談します。

仮縫いで確認する条件を先に合意する

試着では、腕を動かしたときの袖口位置や、前ボタンへの引っ張りも確認します。肩だけ直したつもりでも、別の場所の見え方が変わる場合があるため、全体を撮って比較すると分かりやすくなります。

リモートで相談するなら、撮る角度と動作を担当者に指定してもらいます。写真を送った後、確認が終わる前に本番の裁断や仕上げへ進めないよう、作業の節目も決めておきましょう。

腕が動くかは、袖の太さだけでは決まらない

二の腕に十分な幅があっても、袖山の高さや袖ぐりの位置が合わないと腕を上げにくいことがあります。反対に袖を太くしただけでは、脇の余りが増えて見える場合があります。静止した形と、腕を前へ伸ばしたときの身頃の引かれ方を分けて考えます。

状態先に見る箇所直し方の方向
上腕の周囲だけきつい袖幅と生地の伸び幅を足す位置を検討
腕と一緒に身頃が大きく上がる袖山・袖ぐり・付け角度接続部分を含めて設計
袖がねじれて落ちる前後の識別と合印向き・付け位置を照合

袖ぐりの裁断線の長さだけを合わせても、袖付けは確定しません。出来上がり線、前後、いせの設計を合わせる必要があります。

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