きれいに描き直すだけでは、仕様は増えない
ラフを清書すると線や配色は読みやすくなりますが、ラフにない背面や開き方が自動で確定するわけではありません。清書と、不足するデザインの提案を別の仕事として考えると、納品後に何が残るか分かります。
正面のラフを清書する依頼で、縫製にも使いたいなら、前後の平絵、装飾の拡大図、未確定部分の提案が必要かを選びます。単に画像の解像度を上げても、服の内側や部品の構造が読み取れるようにはなりません。
雰囲気を描く絵と、縫うための図は役割が違う
着用イラストは全身の印象や世界観を伝えるのに向いています。平置きに近い正面・背面の図は、切り替え線、開き、ポケット、ステッチなどを読み取るためのものです。
きれいなイラストが一枚あっても、脇や内側の仕様が未定なら、そのまま裁断へ進める資料にはなりません。
| 表したいこと | 適する表現 | 絵だけでは決まらないこと |
|---|---|---|
| 雰囲気・配色 | 着用イラスト、色見本 | 実物の光沢と透け方 |
| パーツのつながり | 正面・背面・必要な側面図 | 縫い代や芯地の構成 |
| 丈・位置・大きさ | 測り始めと終わりを示した寸法図 | 体型に対する着用バランス |
| 素材のふくらみ | 生地見本、試作 | 一枚の写真で見えない重さと復元性 |
参考画像が複数あるときの組み合わせ方
「この写真全部を合わせる」ではなく、輪郭の基準にする一枚を選び、別の画像は袖や襟など部位の参考にします。細身の身頃と、大きく腕を動かすための袖では、希望が衝突することもあります。
部位を取り入れた結果、全体の比率が変わる点まで見ると、継ぎ合わせただけの印象を避けられます。
画面の色は素材そのものの色ではありません。同じ色名でも、マットな布と光沢のある布では見え方が違います。配色の案を選ぶ段階と、本番の布を決める段階を分けて考えると、デザイン画への期待と実物との差を小さくできます。
雰囲気を示す色付きの絵と、縫い目や開きを示す平面図を使い分けます。清書前に未決定部分を質問してもらうと、見た目だけの行き違いを減らせます。
イメージから、着られる一着へ。
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