胸囲を増やせば、すべてのつっぱりが直るわけではない
胸まわりの不足には、周囲の幅だけでなく、胸の立体を包む量や前丈の不足が関わる場合があります。全体を大きいサイズへ変えると、合っていた肩や衿まで余ることがあります。
胸囲の数値だけで補正箇所を決めず、どこが開く・上がる・余るのかを分けます。以下は相談のための観察項目であり、症状から原因を一つに断定する表ではありません。
| 見えている状態 | 一緒に見ておきたい部分 |
|---|---|
| 前のボタン間が開く | 胸の張り、前立て、ボタン位置 |
| 前裾だけ上がる | 胸の立体、前丈、腰との関係 |
| 胸の上下に布が余る | ダーツや切り替えの位置 |
| 胸はきついのに肩が余る | 基準サイズと胸部分の補正を分ける |

身体の胸囲と、服の胸囲は別に記録する
身体を測った数値は、服の出来上がり寸法とは同じではありません。下着や中に着るもの、動作に必要な余裕、好みのシルエットが加わります。
着やすい手持ち服を参考にするなら、その服の素材と、測った位置を伝えます。伸びる服の平置き寸法だけを、伸びにくい布の新しい服へ移して決めることは避けます。
肩・衿・背中のうち、今合っている部分も伝える
困っている箇所だけを伝えると、全体を広げる変更へ進むことがあります。「肩幅は今のまま」「衿ぐりはこれ以上広げない」など、残したい条件も伝えます。
パタンナーはそれを基に、胸の分量を増やす位置や、ダーツ・切り替えの扱いを検討します。補正量を依頼者が一律に指定するより、仮縫いで分量と位置を確かめる方が判断しやすくなります。
写真は、前・横・後ろを同じ条件で撮る
いつも着用する下着やインナーで試着し、腕を下ろした自然な姿勢を残します。前裾の高さが分かる全身と、つっぱる箇所の近接を分けて撮ります。
片手で裾を引いた写真だけでは、自然に着た状態が分かりません。動作時の困りごとは、通常の立ち姿とは別の写真や短い説明で残します。
補正後は胸だけでなく、隣り合う部分も確認する
前身頃を変えると、袖ぐりや脇の縫い合わせとの関係も変わります。バストが楽になったかに加えて、腕の上げ下げ、裾、前立て、衿を確認します。
完成品だけ直す場合と、型紙を修正して次の服を作る場合では納品物が違います。同じ型を再利用する予定なら、確認した修正を最終型紙へ戻してもらいましょう。
縫う前の設計を、パタンナーに。
新しい型紙・補正・サイズ展開を相談する
型紙の新規作成や修正、サイズ展開を扱う候補。自分で縫う場合や別の縫製担当へ渡す場合に、必要なパーツと納品形式を相談できます。
型紙の作成と、縫い上がった服の納品は別です。紙・PDF・DXFなどの形式、縫い代、出力費、修正の範囲を確かめてください。
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